キンモクセイの香り

まぶしい太陽と

澄んだ青色がさわやかな秋の空。


きらきらした日差しの中を歩いていたら

どこからかキンモクセイの香りがした。


この香りはなぜか

いつもなつかしさを感じる。

子どもの頃の運動会やお弁当の思い出。


あの頃はなにも怖くなかった。

一日がとても長くて

ただ楽しいことを見つけて遊んでいた。


大人になって

自由に色んなことができるようになった分

責任や、未来予測を

いつも考えるようになって

色んなことに臆病になったように思う。


傷つきたくなくて

いつもどこか怯えていたり

人にどう思われるかを気にしたり

ああすればよかったと後悔したり

色んなことをコントロールしようとして

くたくたになってしまったり。


ときどきそんな自分がいやになるけど

きっと子どもの頃の私なら

もっと気楽に生きたらいいのに。と

笑うだろうな思う。


いま目の前にあるのは

こんなにキレイな景色なのに。

いま目の前は

こんなに幸せな状況なのに。


先回りして心配して怖がるなんて

過ぎたことにくよくよするなんて

ばかみたい。


子どもの頃の自分が

心のなかでそう言った気がした。


忙しい毎日のなかで

つい忘れてしまう、今を見るということ。

肩の力を抜いて、ゆっくり世界を眺めること。


もう一度、思い出して

子どもの頃の

素直な気持ちを取り戻そう。


今日も天気がいいだけで

嬉しくなるピュアな心で生きよう。


悩みや心配は

とりあえず鞄のなかへ放りこんで

今、目の前にある幸せに気づこう。


キンモクセイの香りは

子どもの頃の心を思い出させてくれた。


今日も心穏やかに

目の前にあるしあわせに

たくさん気づけますように。

いつもありがとう。