香り

朝の日差しの中を歩いていると

どこかのお家の洗濯の香りがする。

夕暮れの中を歩いていると

どこかの夕食の香りがする。

それはいつも私をほっとさせてくれて

みんな、それぞれの暮らしをしているんだなと

心がほっこりあたたかくなる。

お庭の花を大切に育てている人も

足早に会社へ向かう人も

盛大に鳴いているセミたちも

太陽に向かってぐんぐん伸びる草や花たちも

みんな一生懸命生きている。

ただ生きているというだけで

誰かを幸せにしている。

ただそこに居るというだけで

誰かを安心させている。

ただ自然体でいるだけで

誰かを勇気づけている。

だからそのままで大丈夫。

香りがそれを思い出させてくれた。

今日をただ、生きよう。